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「万智の交遊録」第29回は、千葉市女性センター館長の加賀美幸子さんです。
加賀美幸子さんのこと
いわずと知れたNHKのベテラン名アナウンサーの加賀美さん。あたたかくて、心に優しく染みる独特の語りには、大勢のファンがいます。私もその一人で、加賀美さんの古典の朗読などを聞いていると、あらためて日本語って美しいなあと思えてきます。
最初にお目にかかったのは、いつだったか。私もけっこうNHKでの仕事が多いので、なんとなくいつのまにかお知りあいになっていました。以前、朝の番組で、辛島美登里さんと私とが「仲良しコンビ」ということで出演したさいの、ホストが加賀美さんで、とても楽しいひとときを過ごしました。ほんわかした雰囲気なのに、内容的にはけっこう鋭いインタビューをされるアナウンサーだなあと、そのとき思いました。一つ答えると、ではそれはどんな時で、どんなふうで……と、どんどん具体的に掘り下げられるのです。
今回は「放送文化」という雑誌での対談でお目にかかりました。今の日本語のこと、演劇や短歌のこと、放送で気になること……などなど、話はつきません。あいかわらず、深く掘り下げられる質問の数々を前に、ふだん自分でもなかなか考えないようなことまで考えさせられました。こういうのが、いいインタビューなんでしょうね。「短歌の配列は、野球の配球に似ているかもしれませんね。直球ストレートばかりだと、読者は疲れてしまうし、外角のゆるい球のあとに置いたほうが映える歌もある。だから変化球も、ここぞというときに使うわけです」──こんな話をしましたが、配球のたとえというのは、この日加賀美さんと話していて、はじめて思いついたことでした。
そうそう、先日のインド紀行は、NHKのBSデジタル放送でオンエアされたのですが、その番組のナレーションをしてくださったのが加賀美さんでした。だからこの日も、インド話で大盛り上がり。「あの豪華な船は、借りると高いんですか?」とか「アーユルヴェーダーって、実際どんな感じ?」とか、かなり真剣に質問されていました。ぜひ加賀美さんにも、インドに行っていただきたいものです。
毎年秋にあるNHK全国短歌大会での司会と朗読も、加賀美さんがなさっていて、ここでもご一緒するのですが、加賀美さんが朗読されると、歌が数倍よく感じられます。まさに加賀美マジック。これからも、どうぞ素敵な声を、聞かせてくださいね。
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