●日本の伝統舞台芸術(歌舞伎・能狂言・文楽)を知るためのサイト

【歌舞伎】英語で書かれている歌舞伎関係のサイトは少ないが、ウィキペディアなどの百科事典の項目や個人研究者や大学の日本文化研究センターなどのサイトなどが参考になる。
◎歌舞伎の概観(歴史、舞台構造、上演様式、有名演目など)が英語で説明されているサイトとしては、「Wikipedia」の「Kabuki」英語項目がある。◎ショーリヤ・アラゴロウ氏の手によるサイト「Kabuki21」はすべて英語での詳しい説明がある。演目や役者がアルファベット順に並べられ、それぞれに解説がつけられている。映画「大奥」のテーマとなった江島生島事件についてなど、読み応えのある解説も。◎日本研究センター(Stanford Japan Center)を擁しているスタンフォード大学の日本関係のリンク集「Kabuki」が役立つ。そこにリンクされている、歌舞伎俳優、市村萬次郎のサイト「KABUKI for EVERYONE」の中にはの女形に変身するまでの面白い映像が収録されている。◎歌舞伎の興行元の会社「松竹」の劇場「KABUKI-ZA」にも英語のページがあって上演スケジュールが載っているが、この中の「KABUKI PAVILLION」はためになる。隈取りの順序がヴィジュアルに見学できたり、2の「Let's take a look at the world of KABUKI」の「The world of sound」では長唄、竹本、清元 、常磐津などのサワリを聞くことができる。時間をかけてのぞきたいサイトだ。歌舞伎座のバーチャル・ツアーはプラグインが作動しないとうまく見られない。◎英語によるユネスコの世界文化遺産としての歌舞伎紹介ページ。◎AllAbout>Travel>Japanfor Visitors>-->Japanese Theater>Kabuki:オールアバウト英語版。旅行者向け。
◎日本語の場合、歌舞伎の概観については「Wikipedia」の日本語の「歌舞伎」の項が詳しい。歌舞伎の入門映像は日本の文化庁が設立した財団(日本芸術文化振興会)が運営している「文化デジタルライブラリー」(日本語)で見ることができることになっているが、著作権保護がなされているので、学校等の教育機関、及び伝統芸能情報館内での表示に限られている。このサイトでは歌舞伎の上演記録の検索ができるほか、歌舞伎の基礎知識がヴィジュアルに紹介されている。「舞台芸術教材2」のコーナーでは「菅原伝授手習鑑」「義経千本桜」「仮名手本忠臣蔵」「妹背山婦女庭訓」の4演目について詳細な解説がある。◎「早稲田大学坪内博士記念演劇博物館」のサイトには、同博物館に所蔵されている演劇関係の浮世絵のデータベースを検索することができる「浮世絵閲覧システム」がある。Searchをクリックした後、「仮名手本忠臣蔵」「 義経千本桜」などのキーワードを入れればよい。たとえば「市川団十郎」といれると2066件がヒットする。また、4万7000枚にも及ぶ浮世絵の中から約60作品を厳選した「歌舞伎浮世絵画廊」を鑑賞することもできる。◎前述の松竹の日本語サイト「 歌舞伎美人(かぶきびと)」は、特集やコラムなどで歌舞伎に関するさまざまな情報・知識を得ることができる充実したサイト。役者インタビューや歴史的エピソードなど、満載。◎歌舞伎の役者インタビューは、伝統芸能専門誌「 KENSYO」のサイトで(誌名は「見所」から)バックナンバーの中から約10人のインタビューを読むことができる。「KENSHO」はタブロイド版の冊子で、年4回発行されている。◎歌舞伎ほか、伝統芸能の世界の最新情報は日刊の一般紙の文化面のサイトで。東京新聞の伝統芸能情報コーナーでは、週1回のペースで各分野のトピックスが紹介されているし、毎日新聞が情報を提供しているMNS毎日インタラクティブでは学芸の中に歌舞伎のコーナーがあって、主に公演レビューが掲載されている。それから、ケーブルテレビの放送局「歌舞伎チャンネル」のサイトも、ここから直接映像を見たりすることはできないが、どのようなものが流れされているかトレンドを把握するにはよいかもしれない。◎また、オールアバウトの「歌舞伎」の項には、専門家であるガイドの五十川晶子氏の直接取材によるオリジナル記事が数多く掲載されている。ニュースのほか、「ごひいき役者大研究」「歌舞伎基礎知識」など。リンクも充実。◎地方での歌舞伎、いわゆる農村歌舞伎については「歌舞伎・農村歌舞伎リンク」が詳しい。全国約180カ所の農村歌舞伎のHPにリンクしている。◎歌舞伎関係の書籍は、歌舞伎座近くの古本屋奥村書店にて。
◎フランス語のWikipediaの「Kabuki」のサイト。◎フランス語によるユネスコの世界文化遺産としての歌舞伎紹介ページ。◎フランス語のWikipediaの「Kabukiza」のサイト。
【能狂言】◎英語だとまず最初に眺めたいところは、やはりWikipedia。「Noh」と「Kyogen」 のコーナーが広範な知識を与えてくれるし、ページ下方にあるリンクも少ないながら有用なものばかりだ。◎能の映像が見られるサイトは、上述の日本芸術文化振興会(Japan Arts Council)による「能楽への誘い」の映像を見るページ。リアル・プレイヤー対応の英語解説付きの映像で、能が8シーン、狂言が1シーン収められている。この「能楽への誘い」は充実している。能狂言の歴史にはじまって、役、能面、衣装、演目などについてきちんと解説されている。じっくりとブラウズしよう。◎能のテキストは、13本の英訳作品がピッツバーグ大学とバージニア大学の共同作業によってアップされている。日本語と照らし合わせて読むことができる力作だ。◎能面について鑑賞するなら、日本能面美術協会顧問の能面師、寺井一佑氏の「Noh-Masks」のサイト。また京都の能面店のサイトにも英語のページがある。◎リンク集としては上述のスタンフォード大学のガイドの「Noh」が信頼できる。
◎社団法人日本能楽協会のサイトは日本語のみ。ここには能楽の曲目(作品)のデータベースがあるほか、全国約70の能楽堂の検索ができる。また、能楽の歴史、舞台構造、役の説明、演技の特徴、面、装束、楽器、作り物など能についての詳しい解説が「能楽事典」の中に記されている。◎Wikipediaの日本語のサイト「」と「狂言」にも全般的な解説が載っている。◎能面については上記英語のサイトのほか、長澤流三代目の能面師、長澤重春氏の能面集のブログの写真が美しい。長澤氏の祖父、長澤氏春氏は日本で唯一の能面打ちの人間国宝で、重春氏はその継承者である。◎能楽師のホームページへのリンクは、能狂言の普及を目指すNPO法人せんす(「扇子」より命名)のリンクページが便利だろう。◎能関係の書物の専門書店として檜書店わんや書店を挙げておこう。
【文楽】◎英語では例によって「Wikipedia」の「Bunraku」のサイト。◎文楽の舞台映像は日本芸術文化振興会の「文楽への誘い」の文楽ビデオクリップのページへ。「国性爺合戦」より2場面、「新版歌祭文」より2場面、「寿式三番叟」と「本朝廿四孝」よりそれぞれ1場面が収録されている。この「文楽への誘い」はとても充実したサイトである。◎文楽についての英語の解説は財団法人文楽協会にもあり、図版も充実しているが、本からとりこんだものらしく文字が画像になっていて少々読みにくい。◎日本語ではWikipediaの日本語のサイト「文楽」と文楽協会(日本語)。国立文楽劇場のサイト。文楽を撮影している写真家、河原久雄氏による文楽入門サイトはさすが写真が美しい。◎文楽のホットニュースは読売新聞関西発の「文楽の招待」という項のニュースのコーナーで知ることができる。
◎フランス語のWikipediaの「Bunraku」のサイト。◎フランス語によるユネスコの世界文化遺産としての文楽紹介ページ。
【その他】◎Japan Links:Culture:Traditional Culture:Performing Arts:伝統芸能団体へのリンク集。(英語だがリンク先は日本語)